モートンイトトンボ (イトトンボ科) 異常発生地 

 6月1日 快晴 
午後から時間が取れたので、昨年モートンイトトンボが異常発生していたF町の休耕田へ行って来ました。
結果は、昨年同様、おびただしい数のモートンイトトンボがいました。
ただ、将来は農地ではなくなるらしく、平成18年10月18日の日付で、農地法第5条許可済との看板がありました。
近くで似たような環境を確保出来れば良いのですが、土地形態が変わったとき、これらのトンボの行き場所が気がかりです。
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 昨年に続き、モートンイトトンボが異常発生していたF町の休耕田です。

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 写真の中に何頭のモートンイトトンボが確認できますか?

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 ガガンボを食べるモートンイトトンボの成熟♀です。

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 モートンイトトンボの成熟♂2頭です。

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 モートンイトトンボの成熟♀2頭と未成熟♀1頭です。

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 モートンイトトンボの成熟♂です。

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  モートンイトトンボの成熟♀です。

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 写真は、いずれもモートンイトトンボの羽化殻です。

 この休耕田には、モートンイトトンボの他には、アオイトトンボ、キイトトンボ、ホソミイトトンボ、オオシオカラトンボの未成熟個体数頭と、成熟したシオカラトンボが数頭いましたが、いても良さそうなハラビロトンボやクロスジギンヤンマの姿は観れませんでした。
 昨年の6月6日に確認出来たハッチョウトンボも、時期的なものか、今回は確認出来ませんでした。





クロスジギンヤンマの羽化

 先日のオオシオカラトンボの羽化初期に顔の色が変わるのが気になったので、
他のトンボではどうだったろうかと、昔の私のブログ「やまねのね」を見てみました。

 以下は、「やまねのね」を元に編集したクロスジギンヤンマの羽化の記録です。
→クロスジギンヤンマの場合も、羽化の途中までは黄緑色の顔でした。


 2006年5月12日の記録から
 春のトンボは、明け方から昼前にかけて羽化することが多いようですが、
今にも振りそうな天候が幸いし、10時頃から入った谷間の湿地でクロスジギンヤンマの羽化を観察することが出来ました。
 発見は、セリを摘んでいたSさんの奥さんです。
前日の雨の影響もあり、曇り空で気温は15℃と、やや肌寒い一日でした。

 以下、Sさんご夫妻と観察した様子です。

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 10:53 頭が出始め、クロスジギンヤンマの脱皮が始まりました。 (S)

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 10:53 胸が出て、腹部第1節も見えています。 (S)

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 10:55 第5節まで出たところで、40分ほど倒立型のイナバウワァ姿勢をとりました。
時々体を震わせたり足を動かします。
ヤゴの時代を終えて、トンボとしての生気が少しずつ感じられます。
トンボにとっては、羽化は、もっとも無防備なときでもあります。

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 11:34 倒立姿勢から、逆上がりして懸垂姿勢になるところです。

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 11:34 懸垂姿勢で翅の広がりを待ちます。

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 腹部は体液のため膨れています。
全身脱皮したことで、腹部形状や付属器などから♀であることが判りました。

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 11:40 トンボの翅らしくなってきましたが縮れています。

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 11:45 どうにか翅は広がりましたが、白い色です。

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 11:56 翅が透明になりました。 (S)

私やまねは、午後から講座があったため、ここで山を下りました。
以下は、Sさんの観察記録を元に、構成しました。

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 14:38 体液が放出され、腹部もスマートになりました。この状態で翅を乾かし、飛び立ちのときを待ちます。 (S) 

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 14:45頃 気温が低く雨模様となり、今日の飛び立ちはないと判断し、Sさんは雨対策をして帰宅しました。 (S)

 奥さんのお話では、Sさんは、夜通し気がかりだったようです。
それで、翌13日の午後、午前の用事を済ませると、小雨の中を再び谷へ入り、無事飛び立ったことを確認され、私のところへ連絡してくださいました。
 Sさんのやさしい気持ちが、トンボに通じたのでしょう。本当に良かったです。 
私も、貴重な体験をさせていただき、Sさんご夫妻には、感謝感謝の一日でした。

 奥さんに頂いたセリは、その日のお吸い物と、お浸しにし、蕨は、翌日、竹の子と一緒に炊き込みご飯と、炒めものにして、おいしく頂きました。 ありがとうございます。


 なお、写真の説明文末尾に(S)とあるのは、Sさんが撮られものです。

オオシオカラトンボの羽化 (トンボ科)

 5月26日
 イノシシに荒らされた「風の谷」の畦の補修前に、
モートンイトトンボを観ておこうと、家を6時に出て「カエル谷」へ行きました。
やはり「早起きは三文の得」が生きているようです。
おかげさまで、モートンイトトンボの交尾と、オオシオカラトンボ♂の羽化を確認することが出来ました。
オオシオカラトンボ自体、今シーズン初ですから、初物だったわけです。 ( ^ ^ );
他にもヤマアカガエルの幼体などを観ることが出来ました。

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 モートンイトトンボを観ていたら、羽化途中のトンボを見つけました。(7:48)

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 トンボは♂で、顔が黄緑色をして、胸には筋があります。(7:56)

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 翅が伸びて来ました。 顔の黄緑色が消えています。(8:04)
始めのうち顔が黄緑色なのは、なぜでしょうか?
少しでも外敵から目立たなくするための保護色なのでしょうか?
ただ、保護色とするならば、色が変わるのが早過ぎるように思います。
他のトンボの場合は、どうなのでしょうか? 
こうしてトンボを見つめていると、子どもの頃に戻ったようで、興味が尽きません。

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 翅がすっかり広がっています。胸や腹のパターンも出て来ました。(8:46)

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 体内の水分が排出され、トンボらしい体形になり、腹部の色合いも出て来ました。どうやら○○トンボのようです。(9:20)

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 翅の透明度も増し、胸や腹部のパターンもはっきりしてきました。
ここまで来ると、オオシオカラトンボ♂と確定しても良いでしょう。(10:06)

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 体が疼くのでしょうか。 あるいは周囲が視界に入り、気が騒ぐのでしょうか。
しきりと体を動かします。(10:26)

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 体勢を入れ替えました。これでしばらくは落ち着くでしょう。(10:27)

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 と思ったら、羽化殻を落としてしまいました。(10:28)
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 落ちた羽化殻です。

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 翅も広がり、飛び立つ時が近づいています。(11:51)
 翅を震わせ始め、いよいよ処女飛行かと思ったら、舞い上がったとたん、シオヤトンボの♂がスクランブルをかけてしまい、必死に逃げるオオシオカラトンボでした。 (11:53)
 成熟したらシオヤトンボなど眼じゃないのでしょうが、羽化したては危険が一杯です。

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 難を逃れ、ウツギの枝で休むオオシオカラトンボでした。(11:54)


■補足

 羽化の写真を撮れたのは、一山越えた「風の谷」で一緒に作業をしていたSSさんや、TSさん、AIさんの理解と協力があってのことでした。
この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。
 「カエル谷」へ、カケヤを取りに行った人間が中々戻らなかったのですから、迷惑なことでした。
翅が中々開かないので、一度、「風の谷」へ戻って作業をし、3人には翅が開くところを観ていただきました。
 私が撮った翅が開いている写真は、畦の補修を終えて、みんなでカエル谷へ戻ってから撮ったものです。
飛び立たないでいてくれと念じていたら、結果として初女飛行まで観ることが出来ました。 うれしかったです。

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 イノシシが崩した畦の補修です。 梅雨に入る前にしっかり直しておかないと、大雨で水が抜けてしまいます。
 昔のお百姓さんは大変だったと思います。 (風の谷にて) 


■参考

 「風の谷」や「カエル谷」は、なつかしい生きものたちが絶えないようにと、高齢化や過疎化で耕作を止めた山間の田んぼを、周囲の山ごとお借りして、『カエルの分校』の仲間たちと共に、水辺として維持管理しているところです。



 

ヒヌマイトトンボ (イトトンボ科、区域外・静岡県)

 モートンイトトンボを載せたので、大きさ、シルエットの似たヒヌマイトトンボを載せます。
トンボ好きの方はご存知のように、1971年に、廣瀬誠、小菅次男の両氏によって茨城県の汽水湖「涸沼」で発見されたトンボで、発見場所の名前を冠してヒヌマイトトンボと言われ、絶滅危惧種(Ⅰ類,CR+EN)に指定されています。
 写真は、05年7月19日に桶ヶ谷沼に行った帰りに静岡県某所で撮ったものですが、愛知県内でも、わずかに生息しています。
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 ヒヌマイトトンボの成熟♀です。

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 こちらが成熟♂です。4つの眼後紋と、翅胸前面の紋が目立ちます。

 ヨシの茂る河口に近い川の、水面から20cmほどのところの薄暗い草の間を、ゆっくり飛んでいました。
それらの習性が解るまで、見つけるのに苦労したことがなつかしいです。

モートンイトトンボ (イトトンボ科)

 5月24日(日) カエル谷
例年、モートンイトトンボが湧く湿地を覗くと、20頭ほどのモートンイトトンボがいました。
カエル谷は多様な水環境を維持していますので、トンボたちは棲み分けをしています。 

 モートンイトトンボは、ハラビロトンボ同様、開放水面が広かったり、水深のあるところは他のトンボに任せ、休耕田や、草がまばらにある湿地に生息し、他の強いトンボたちから自分たちを守っています。
 これは、モートンイトトンボがイトトンボの中でも、とりわけ小さく、少しでも草むらを外れると他のトンボに捕食されているのを何度も見ていますので、彼らが世代交代をして行く上の戦略のようです。

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 モートンイトトンボの未成熟♀です。 写真はアップで撮っているため、キイトトンボに似た体形ですが、とても小さいです。それでも♂と比べると、ややがしっかりした感じに見えます。
 
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 こちらはモートンイトトンボの成熟した♀です。
 植物と違い、若いうちはオレンジ色をしていて、成長と共に緑色がかって来ます。

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 モートンイトトンボの成熟した♂です。♀と比べ、より繊細に見えます。
形は、ヒヌマイトトンボに似ています。

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 モートンイトトンボの羽化間もない♂です。

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 モートンイトトンボの成熟♂です。

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 モートンイトトンボの交尾です。 午前8時頃に撮りました。 外気温は18℃でした。

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 カエル谷のモートンイトトンボのいる湿地です。似たような環境が二ヶ所あり、どちらにも生息しています。

■飛翔力
 モートンイトトンボは、普段は羽化した水場の、草の間で生活しているのですが、意外と飛翔力のあるトンボではないかと思われます。
 理由としては、F町で、休耕田になって2~3年目の田んぼに、突然、数千頭のモートンイトトンボがいたからです。
それまで、その辺りでモートンイトトンボを観ることはありませんでした。
 今年もいるかは未確認ですが、小さいだけに、彼らの生態が掴めていません。
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 モートンイトトンボが異常にいた市内F町の休耕田です。 (2008.6.6)
 



ハラビロトンボ 

 今年、最初にハラビロトンボと出会ったのは、5月10日でした。 
彼らは、休耕田や湿地に生息していますが、どちらも脆弱な環境ですので、将来が危ぶまれるトンボです。
 私の好きなトンボの一つです。

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上の写真は、いずれもハラビロトンボの♀です。

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 こちらは、いずれも♂です。
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 成熟した♂です。




加茂地域について

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 (図は、豊田加茂農林水産事務所の資料より抜粋)

 加茂地域には、かつて東加茂郡、西加茂郡があり、愛知県の中央部の北側に位置し、岐阜と長野県に接する地域で、西は、尾張の瀬戸市や日進市などと接し、東は奥三河の津具村や北設楽町、そして、東三河の新城市と接し、南は西三河の岡崎市や、安城市、知立市、刈谷市などと接しています。

 平成の大合併で、加茂地域のほとんどの町村が豊田市に編入され、かろうじて西加茂郡三好町が残されています。
 トンボ狂会で取り上げるトンボは、これらの地域を主としていますが、一部区域外のものも含むことがあるため、その場合は、(区域外:○○)で示します。
 主たる観察地は、かつての東加茂郡松平町のカエル谷などです。

ムカシトンボ

5月18日

 トンボと山の仲間で、『カエルの分校』のSSさんが、西加茂にある○○岳の山頂でムカシトンボに出会いました。
先週は、私がムカシヤンマを見た翌日(15日)、カエル谷でムカシヤンマも見ていますので、2週続けての快挙です。 SSさんには、トンボの神様が、その人柄に味方してくれているようです。
 以前、初対面のマダラナニワトンボが、向うから飛んできてSSさんのズボンに止まる珍事もありました。
動きが取れませんので、そのときは、私が漁夫の利を得て写真を撮ることが出来ました。 (^ ^ )
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 山頂に着いたとき、スーッと目の前をトンボが飛んでいったので、目で追っていると、木に止まったそうです。
写真を2枚撮ったら、直ぐに飛んで行ってしまったそうです。

 ○○岳は、標高1200mほどですが、ブナやミズナラも残る落葉広葉樹もある大らかな山容で、所々には清流があります。

トンボのとまる木

5月14日

 昨日のムカシヤンマを今一度と、長野の帰り、たそがれどきのカエル谷へ寄りました。

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 一本の木に、たくさんのシオヤトンボが止まっていました。
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 よく見ると、全て♂ばかりで、なぜかとなりの木には止まっていません。
♀は♂を避け、どこでくつろいでいるのでしょうか。
トンボは、傾きかけた西日をうまく捉えているようです。

ムカシヤンマ

5月13日(水)

 仕事の帰りに、カエルを調べるためカエル谷へ寄ったら、うれしいことが二つありました。
一つは、カエル谷では記録がなかったムカシヤンマが東沢の取水口近くの木に留まっていたことです。
もう一つは、ニシカワトンボの成熟♂同士のタンデム飛行が見れたことです。
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 上記写真は、いずれもムカシヤンマの♀です。
黄昏どきであったため、西日を受けてセピア色に輝いて見えました。 
このトンボとの出会いは、今回が5度目です。 意外と大らかなトンボで、全く逃げようとしませんでした。それでも、バックからカメラを出し、始めのシャッターを押すまでは、「飛ぶなよ、飛ぶなよ」と念じていました。
何しろ、私のカメラは、昔のデジカメなので応答性がよくないのです。 それでもお気に入りなので手放せません。
ニコンCoolpix995でした。
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 こちらは、昨年5月17日に、直線距離で南東へ13.5Kmほどの谷間で確認した♂です。





ニシカワトンボ(アサヒナカワトンボ)の産卵

5月10日(日)

 先週の雨で痛んだ沢沿いの点検・補修をしていたら、
ニシカワトンボ(アサヒナカワトンボ)の♂と♀が飛んで来て、目の前で、連結、交尾、産卵のプロセスを見せてくれました。
 この日は、抱接をしたシュレーゲルアオガエルがたくさんいて、カエル谷には、
あま~い香りが漂っていました。
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 上が成熟した♂、下が♀です。近くの草へとまりましたので、すでに息は合っているようです。
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 連結しての産卵です。普段は水量が少ないのですが、大雨が降ると様相が一変してしまいます。トンボの卵やヤゴは、荒れ狂う沢の水から、どうやって身を守っているのでしょう。流れが変わってしまうこともたびたびなのです。
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 近くに別な♂が来たら、♂は連結を解きスクランブルをかけました。♀は何事もなかったように産卵を続けるのでした。

ベッコウトンボ (区域外:桶ヶ谷沼・鶴ヶ池)

 5月3日、ベッコウトンボ調査に参加するため桶ヶ谷沼へ行ってきました。
    なお、調査結果については、こちらをご参照ください。

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                2007年GW  鶴ヶ池にて
    
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                2008年GW  鶴ヶ池にて
  
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                ベッコウトンボの若い♀です。
成熟して産卵活動に入るまでの間は、水辺を少し離れたところで暮らしています。              
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                こちらもベッコウトンボの若い♀です。
  
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             こちらはベッコウトンボの成熟間際の♂です。
  
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            こちらはベッコウトンボの成熟間際の♂です。
  
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            こちらもベッコウトンボの成熟間際の♂です。
  
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            こちらもベッコウトンボの成熟間際の♂です。

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   こちらはベッコウトンボの成熟♂です。全身が黒っぽくなっています。

 かつてベッコウトンボは、本州の宮城県以西の各地と、九州に分布していたそうですが、現在、ある程度以上の数が毎年確認されている生息地は3~4ヶ所だけのようです。
 ちなみに、それらの名前を挙げれば、大分県中津市の野依池、鹿児島県祁答院町の藺牟田池(いむたいけ)、そして、静岡県磐田市鶴ヶ池(と、桶ヶ谷沼)のようです。
 私たちの西三河でも、かつては小堤西池と言う沼にベッコウトンボがいたのですが、カキツバタの自生地でもあったことから、カキツバタ命の人たちによって、カキツバタ以外の水生植物が毎年取り除かれ、結果、ベッコウトンボも消えました。

 上の写真は、いずれも、鶴ヶ池で撮ったベッコウトンボですが、例年無数にいたトンボが、今年は1頭を数えただけでした。(4月29日に行った友人は2頭確認。)
 鶴ヶ池は、桶ヶ谷沼とは尾根一つを越えた北側にあり、写真のように、沼の大きさ、植生などは桶ヶ谷沼と大変似ていましたが、近年の自然状態でのベコウトンボ生息数は明らか勝っていたのですが、今年は急激にベッコウトンボが減少。
何があったのか、気がかりです。

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                 鶴ヶ池

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                 桶ヶ谷沼

ホソミイトトンボ

 毎年、4月半ば頃になると、きれいな青い色をしたイトトンボが、カエル谷のトンボ池に現れます。 
はじめは、何と言うトンボか知らなかったのですが、ホソミイトトンボと言うトンボであることを知りました。
なんだ、姿形をそのまま当てはめただけの名前じゃないか。
何でもっと夢のある名前にしなかったのか…などと思ったものでした。
それほどにきれいで魅力的なトンボなのです。
その上、こんな華奢な身体をしているのですが、トンボの姿で年を越すと知ったときは、ただ、ただ驚きました。
どこにそんなエネルギーを蓄えているのだろうとと、感心してしまいました。
トンボだから、まさか、カエルのように土の中で冬眠していることもないでしょう。
 かつて、正月の山登りで偶然見つけたオツネントンボのように、風の余り当たらない日当たりの良さそうなところで、じっと留まっているのだと思います。
今までホソミイトトンボが越冬しているのを見たことはありません。
かといって、探し回ろうとしたこともありません。
知識が先に入り過ぎと言うのは、発見したときの喜びを奪っている部分があるように思います。
ですから、偶然の出会いを大切にしたいと思っています。

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 上の写真は4月中旬から5月中旬に撮られていますので、越冬型のようです。
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        5月初めのトンボ池です。冬の間はカモも入ります。
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                    交尾です。

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 こちらは、7月半ばに撮っていますので、夏型になるようですが、同時に観ていない私たちには、そう言われて見れば気持ち小さく、色合いも違うかなぁ…という感じです。 
ホソミイトトンボの世界も奥が深いです。


シオヤトンボ

 シオヤトンボは、明るい湿地や休耕田のトンボです。
トンボの姿で冬を越すイトトンボの3種を除くと、カエル谷(&風の谷)では、春一番に姿を現します。
今年の初認は4月2日でした。
 同じ頃、シュレーゲルアオガエルが鳴き出しますから、蛙もトンボも大好きな私は、初恋の人にでも再会したように、気もそぞろになってしまい、時間をやり繰りしては湿地通いが続きます。
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 シオヤトンボの羽化です。 植物が適度にある湿地面近くで羽化しますので、慣れないと見つけるのが困難です。
天気など条件がよ良いと一斉に羽化します。

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               シオヤトンボ未成熟♂です。

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             こちらはシオヤトンボ未成熟♀です。 
 未成熟の間は♂♀とも似ていますので、よほど近くで観るか、捕まえて副性器か腹端部の付属器を確認しないと、性別の判定は困難です。

 
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       シオヤトンボ成熟♀です。成熟と共に、色がくすんできます。

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   シオヤトンボ成熟♂です。 腹部は粉を吹いて、塩辛色になっています。

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 交尾です。トンボの場合、交尾の主導権は、♀が握っているように思います。なぜなら、♂に首を掴まれているものの、♀は、♂の精子が一時的に蓄えられている副性器へ自分の腹部後端を接して精子を受け取るからです。つまり、♀にその気がなければ、交尾は成立しません。

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 産卵です。 ほとんどの場合は、♂が直ぐ上にいて♀の産卵を見守っているような行動をとりますが、本当の所は、他の♂に♀を奪われ、自分の子孫を残すのを妨害されることから守っていると見たほうが正解のようです。
 なぜなら、近くに♂が来たらスクランブルしますが、新たな♀が視界に入った場合、連結することがあるからです。 一夫一婦制をとる人間からみたら、浮気者と写るかも知れませんが、より良い子孫を残すためと考えれば、決して良くない行動とは言えないと思います。
彼らは、短い成虫の期間に、より優れた子孫を残して行かないと、種の存続も危ういのですから。

 反面、私たち人間には、結婚する意志がなかったり、子どもをつくる目的以外でも、快楽の一つとして営みをしますので、彼らのほうが、優秀な子孫を残すと言うことに一途であると思うのです。
 野生に生きる生きものにとって、「喰う、寝る(休む)、(子孫を)残す」 ことは、生きる全てのようです。
どれを奪われても、彼らの生息は脅かされます。 私たち人間は、そのことを理解し、その生息環境を脅かしたりしないように心したいものです。 そのためには、彼らが、どのようなところで、どうやって生活しているかを、しっかり観察することが大切に思います。

水草の多い池

4月21日
 用事でN町に行った際、待機時間を使い、近くのO池に寄って来ました。
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 ヒルムシロやジュンサイなどの水草がたくさんあります。 
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 クロスジギンヤンマの羽化殻です。重なり合っていますが、彼らは、なぜ、他の場所を使わないで、次々と重なっていくのか不思議です。
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 フタスジサナエの羽化間もない個体が休んでいました。上が♀、下が♂です。
 他には、カワトンボの仲間や、シオヤトンボなどがいました。

 このような環境の「ため池」は全国的に少なくなっていますので、大切にしていきたいものです。


ん!??

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 狂会のSSさんから、「ニシカワトンボの♂と思いますが縁紋が異なっており、悩んでおります。」とのメールが入りました。(写真はSSさん撮影)
「トンボも、稀にハーフのような個体をみますので、それだと思いますよ。」と返事した直後に、もう一人のNSさんから、似たようなメールが入り、その数が多く、それも数箇所で見たとのこと。
「ん!??」 これは、もしかしたらと調べてみると、ニシカワトンボ(アサヒナカワトンボ)が未成熟のうちは♂♀とも同じ白い縁紋をしているが、♂の場合、やがて赤褐色になり、♀は白いままである。との記述。
そうでしたか、ごめんなさい。間違っていました。
ニシカワトンボの♂は、成長とともに縁紋の色が変化することを知りました。
勉強不足でした。
トンボの世界も奥が深いものです。

■補足
 かつてのニシカワトンボは、その後のDND分析結果を踏まえた日本蜻蛉学会の見直しで、アサヒナカワトンボに標準和名が変わっています。
 ただ、私たちの地域には、かつてのニシカワトンボ(アサヒナカワトンボ)も、オオカワトンボ(ニホンカワトンボ)も、透明翅型と橙色翅型が同居します。
その上、オオカワトンボ(ニホンカワトンボ)は、稀に淡橙色翅型もいますので、仲間内では、ニシカワトンボもオオカワトンボも、○○翅型と翅の色も付けて呼び合って来た関係もあり、みんなが新名称に馴染むまでは(…多分切り替えられない人もいそうです。)元の名前で呼んで行きたいと思っています。
 ちなみに私たちが住んでいる地域は西三河で、主にトンボを見ている地域は、かつての西加茂なのです。
ですから西には特別な愛着があったのです。 西河蜻蛉との受け止めでした。 (^ ^)

最後と思った後のトンボ

 12月20日 晴れ

 子供たちが、カエル谷へ遊びに来ていたので、仕事を終えてから行ってみたら、「赤とんぼがいたよ!」と教えてくれました。
12日が終認と思っていたら、その後も生きていたようです。
しばらくすると、 「いたよ!」との子供たちの声。
翅は傷んでいましたが、写真のヒメアカネがいました。
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 所々に氷が張っていたのですが、これまでの終認記録です。

 子供たちの自然を見つめる眼も、年々向上して来たようで、うれしかったです。

最後のトンボ

 12月12日

 オツネントンボなど成虫で年を越すトンボを除くと、写真のヒメアカネと、オオアオイトトンボが、カエル谷で今年最後に確認されたトンボになりました。
 既に霜も降り、氷も張るようになっていましたので、彼らは寒さに強いトンボのようです。
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 トンボに限らず、ほとんどの小さな生きものたちは、人間と比べると短命です。
 私たち人間は、気温が下がって来たので、そろそろお迎えが来ると言う目でトンボを眺めていたのですが、トンボたちは、いつものように、日差しのある間は日向で翅を休めたりして、淡々と生きていました。

 人間の寿命が、例えば30年しかなかったら、もっと優しくなれるのだろうか。
トンボのようにお迎えが近くなっても、静かに生きることが出来るのだろうか…。
 あまりにも欲深くなった人間。
他の生きものたちにはどんな風に写っているのだろうか。
偉そうにしている割には、意外と臆病な私たち人間です。

 派遣や期間従業員の人たちが、企業論理の中で使い捨てにされている現実。
工場の入口で窮状を訴える人。
しかしビラを受け取る人はほんの僅か。
監視の目が怖いのだろう。
でも、明日は我が身と思うのですが。

 生きものたちのように、人間も限られた餌を分け合って生きてほしいものです。 消えて行くトンボを見ていて、そんなことを思いました。

ヒメアカネ

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  11月13日
 冬に備え、なつかしい生きものの生息空間 「カエル谷」の古いテント小屋を立て替えに行きました。
風のない、ポカポカ陽気で、気温は、日向で30℃になっていましたが、夏のような暑さではなく、動いていると、少し汗ばむ程度でしたから、トンボにも、私たち人間にも快適でした。
 天候のせいか、シュレーゲルアオガエルも、二ヶ所で鳴いていました。

 湿地には、ヒメアカネがたくさんいました。
ヒメアカネは、北方系の赤とんぼのようで、毎年12月の第1週ごろまで観ることが出来ます。
 アカネ属では一番小さいので、他のトンボに食べられないようにするためか、他のトンボがほとんど消えた頃がが産卵のピークのようで、それまでは山裾などで静かに暮らしています。
 今日は天候も良かったせいか、100~120頭はいたと思います。
それでも♀は、10頭前後だったでしょうか。
 ♂たちは、ここぞと思う産卵に良さそうな場所で、♀が飛んでくるのを待ち受けていますから、♀も大変です。
♂同士は、互いに牽制し合っています。
ですから、山裾にいた頃のヒメアカネとは違う種ではと思うくらい、落ち着きがなく、のんびり写真を撮らせてくれません。
 一頭の♂が少し動いただけで、周囲の♂が直ぐ反応し、飛んでしまいます。
そして、飛び立った所には、別の♂が入ろうとします。
すると、また、別の♂や、前にいた♂がチョッカイをかけるのです。
何しろ、じっとしていないのです。
 このように、自然界の♂たちは、生存競争が激しく大変です。
そこへ行くと、私たち人間界の♂は、ぬるま湯生活で、甘やかされているように思います。
 せめて、共に暮らす女性を大切にしなければ、バチが当たりそうです。

 オオアオイトトンボも、産卵に来ていました。30頭はいたと思います。
それ以外のトンボでは、アキアカネが数頭いました。
彼らの産卵ピークは終わったようです。

うれしい知らせ

 今日のコンパスくらぶ月例山行のとき、一さんから、うれしい知らせが入りました。
啓さんが「ほのぼの賞」をいただいたと言うのです。
 帰宅すると、仙さんからメールが入り、 「研究会長賞」と、佳作に入賞いたしましたとの、またまたうれしい知らせ。
どちらも、応募するとトンボのカレンダーがもらえるからと、一さんからの勧めで、「トンボ王国・さが」20周年 19回トンボ写真コンクールへ応募した結果なのです。
 昨年は、初めて出した一さんが、「研究会長賞」をいただき、同じ賞を今年は仙さん、一さんの奥さんが「ほのぼの賞」なのです。
みんな、『カエルの分校』の『トンボ狂会』のメンバーです。うれしくなりました。
 3人に共通しているのは、トンボやカエルへの愛情でしょうか。
高齢化などで耕作を止めた山の田んぼを、なつかしい生きものたちの生息空間として維持管理している人たちです。だから、作業をしながら、いろんな生きものを観ていますので、その気持ちが被写体になってくれたトンボたちに伝わったのではないかと思っています。
 
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 仙さんのキイトトンボ(08佐賀トンボ研究会長賞)
 
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 啓さんのオオシオカラトンボ(ほのぼの賞)
 
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 仙さんのハラビロトンボ(佳作)

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  一さんのアオイトトンボ(07佐賀トンボ研究会長賞)


 お祝いの言葉に、お二人から届いたメッセージを参考に載せます。
トンボや自然が大好きな気持ちと、受賞の喜びが出ていると思います。
今後益々、研鑽してくれることでしょう。おめでとうございます。


★ ○様、皆様、カエルの分校A啓です。

  早速のお祝いのお言葉をありがとうございました。
  応募すると必ず貰えるカレンダーが目的で、
 賞をいただけるとことはない、と思っていました。
  あの写真のオオシオカラトンボは、近づいても
 じっとしていて、飛び立ってもまたすぐに同じ杭に
 もどってきてとまってくれました。
 「仕方ないから、練習台になってやるか」と
 言っているようでした。
  啓介が遠くで寝そべっていたのは偶然ですが
 人も一休み、トンボも一休みといった雰囲気が
 たまたま写っていたのが良かったのかもしれません。
 半分は啓介に助けられました。
  これを機会にカメラをまめに持ち歩こうと思っています。
  分校の皆さんに誉めていただくと嬉しくて
 たまりませんが、我家の男ども(啓介以外)は
 うかれている私を冷ややかな目で見ています。
  カレンダーが出来上がってくるのが楽しみです。
                  
                   啓介の母ーちゃん


★ トンボ狂会の皆さんへ

  先に連絡のあった写真が研究会長賞と佳作に
 入賞いたしました。
 日頃の皆様からのご教授、ご支援の賜物でございます。
 厚く御礼並びに感謝申し上げます。
 先ほど郵便で知らせがありました。
 取り急ぎご報告申し上げます。

 <研究会長賞>
  風の谷で撮った「キイトトンボ」
 <佳作>
  カエル谷入り口駐車場下の田んぼで撮った「ハラビロトンボ」

  期待の思いのこもった「キイトトンボ」
 魅惑的なブルーの前額部にこだわった「ハラビロトンボ」で入賞できて
 嬉しいです。



 ■補足

  「トンボ狂会」は、なつかしい生きものの生息空間を維持管理しているグループ
『カエルの分校』の中で、とりわけトンボ大好き人間の方々です。
勿論、トンボ以外の生きものも好きなのですが、松平にある生息空間には、これまで、一時的に訪れたものも含めると、56種のトンボが戻って来て、
その姿を確認することが出来ました。
 かつての棚田のように、水を張り、畦を守り、周囲の草刈りをしています。
水深をやや深くした「とんぼ池」も造ってあります。
 カエル谷や風の谷のと呼んでいる空間ですが、
ちょっとした流れや、周囲が雑木林であることも、
いろいろなトンボが来てくれる要因のようです。
 全国のトンボ好きのみなさん、お仲間の方々と、耕作放棄した田んぼを借りて、トンボや蛙たちの楽園を造りませんか。
アキアカネに代表されるよう、彼らは全国的に生息の危機にさらされています。
 次の時代にも、トンボを絶やさずに伝えて行きましょう。
そして、私たちが経験してきたトンボ捕りの楽しさを、
これからの子供たちにも知ってもらいましょう。
 子どもは、自然の中で、伸び伸び遊ぶ中で、多くを学ぶのですから。

 耕作を止めてしまった山間の田んぼを活かす
「なつかしい生きものたちの生息空間」づくりのノウハウなどは
『カエルの分校』のサイトをご覧ください。

 詳細を知りたい方、自分も始めてみたい方は、下記にメッセージ願います。
詳しいご案内を差し上げます。

    kaeru.b-ymn★nifty.com

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